早いもので、今年も2カ月を残すのみとなりました。ここ数日はそこそこ暖かく、秋の気配も薄感じがします。
先週はテレビで何故か歯科が取り上げられることが多くちょっと驚きでした。
NHKの「サキどり↑」では10月26日放送
27日は「プロフェッショナル 仕事の流儀」
熊谷先生の予防歯科に関するお考えは、現在ゴールドスタンダードと言っていいと思います。
ちらっと見ただけで詳細は知りません。犯人だったのでしょうか?
さて、歯科麻酔学会の話に戻ります。獨協医科大学 麻酔学講座の山口重樹教授による、
「鎮痛薬としてのアセトアミノフェンの役割」
という講演を聞きました。「私は留学中、歯が痛いときにアセトアミノフェンしかのまなかった!」らしいです。アセトアミノフェンへの偏愛がうかがうことができて、ある意味ほほえましい講演でした。
鎮痛薬は、どの診療科でも「非ステロイド鎮痛消炎薬」、NSAIDsが最もよく使われています。ロキソニンなどですね。NSAIDsも歴史が古いので副作用もよく理解されているのですが、高齢者、脳血管障害患者、循環器疾患患者など、リスクのある場合には問題となります。
そこで100年以上も前に開発された痛み止めである、アセトアミノフェンが見直されています。これはNSAIDsと作用機序が違うため、上記のような患者さんにも安全に使ってもらえることが多いようです。今回の講演内容からも、高齢者、胃潰瘍の既往、降圧剤の服用、小児、妊産婦の場合には第1選択薬とすること、無効であっても増量で対応し、NSAIDsへの変更は慎重に行うことが推奨されるとのことでした。
またアスピリン喘息など、いわゆるNSAIDs過敏症の場合、添付文書では未だに投与禁忌となっていますが、作用機序の違いから本当は問題がないようですし、実際にもこのような患者さんに多く処方されているようです。
昨年、1日あたりの最大投与量が見なおされ、解熱目的では1,500mg、鎮痛目的では4,000mgとなりました。従来の3~4倍です。個人的には使いやすくなったなと思っています。
たまたま先週いらした患者さんです。80代男性で、脳卒中後遺症、膝関節症、風邪で、それぞれ別個の診療所に通っていらっしゃるものですから、頭痛にロキソニン、膝痛にロキソニン、のどの鎮痛消炎にロキソニンと、重複処方されていました。私のところでは抜歯が必要だったのですが、抜歯後の鎮痛にも普通はロキソニンを出します。そうするとこの患者さんは、1日に12錠ほども服用するかもしれません。
のみすぎですね。副作用の一つも出現してもおかしくありません。
さすがに当日の抜歯は見送りました。
このように患者さんの高齢化に伴い、いろんな基礎疾患がみられることはよくあります。また場合によっては服用薬剤を確認できないこともあります。
鎮痛作用の弱さとか、作用発現まで少し時間がかかるとかいった理由で私はこの薬を処方しなくなりましたが、高齢化などによる診療環境の変化から、考えなおす時期かもしれません。