前回は「中心咬合位」の話をしました。これは今回お話しする側方位、前方位と併せて、学部教育の時点で叩き込まれる基礎的かつ重要な概念です。
②側方位
中心咬合位、つまり上下の歯がしっかり噛み合った状態をとってみてください。そこから上下の歯ができるだけ接したまま、下顎を右に、真横に動かしてみてください。多くの場合は左半分の歯は上下が離れるはずです。右の歯では犬歯のみか、犬歯と臼歯の一部、あるいは犬歯と臼歯全部が接しているはずです。
このように下顎を横にずらすような動きを「側方運動」と言います。上記のように下顎を右に動かした場合を「右側方運動」と言い、右側方運動を3mm程度行った時の下あごの位置を「右側方位」と言います。またこの3mmほどの過程で本来接触してはいけない歯の接触を「側方位早期接触」と言います。
③前方位
今度は中心咬合位から、上下の歯ができるだけ接したまま、下顎を前にずらしてみましょう。この位置では上下の前歯の、それぞれ2ないし4本が上下で接し、残りの歯は離れてしまうことがほとんどです。
このように下顎が前に動くことを「前方運動」と言います。3mmほど前方運動を行った下顎の位置を「前方位」と言います。この位置では上下の中切歯は、その先端で接することが多いようです。側方位の場合と同じように、前方運動の過程で、本来接触してはいけない上下の歯の接触を「前方位早期接触」と言います。
側方位と前方位での上下の歯の接し方は、人によって様々ですが、臨床上、3つか4つの様式に分類されます。そのような様式を「咬合様式」と呼びます。
念のため申し添えておきます。上記のような咬合運動は、私たちが例えばものを食べるときに、つねに発現するものではありません。ただ瞬間的には発現しています。ただ就眠中の歯ぎしりでは、咬合運動に近い動きをしているようです。
中心咬合位早期接触と同様、側方位早期接触、前方位早期接触も、歯や顎関節にダメージを与えます。そのため、私たちが歯に金属冠をかぶせたり義歯を装着するとき、あらゆる早期接触がないよう、慎重に調整を行うことは前回もちょっと触れました。
こりゃ、図か写真がないとわかりませんね。
次回は咬合の話を離れるつもりですので、次々回までに何か用意します。
次回は咬合の話を離れるつもりですので、次々回までに何か用意します。
