前回はくどい投稿になってしまいました。要するにインプラント治療の際重要なのは、困難症例を見極める、術後の口腔ケアをしっかりやる、この2点です。あと、高齢化に伴う口腔環境の変化については、今後の大問題と思われます。
さて、Quintessence Dental Implantologyという雑誌があります。日本の業界誌です。今年の1月号に興味をそそる記事が掲載されました。NHKクローズアップ現代「歯科インプラント トラブル急増の理由」を企画担当した米原達生氏へのインタビューです。米原氏は取材を重ねるうちに国民生活センターの報告とほぼ同じ問題点を認識されたようです。したがって氏の提言も、国民生活センターの「要望」等と一致します。
それより米原氏の直の言葉が面白い。抜粋して私の感想を付け加えてみます。
「むしろ経験豊富な歯科医師のもとで無理な治療、無謀な治療を受けトラブルになっている。しかも、歯科医師側からインプラントを勧められたケースがほとんど」
経験豊富、という言葉が単に長年歯科医師をやっている、くらいの意味なら、まあわかりますが・・・。ちょっと私の予想に反する事実です。
「(NHKに寄せられた反響は)どちらかというと無風に近いものでした。(略)直接の批判というのは想像以上に少なかったです。」
無茶なインプラントが歯科界では一部問題視されていましたから、賛否両論あったのは想像できますが、それにしても無風とは・・・。
「ちなみにあの回の視聴率は9.5%だったのですが、これは『クローズアップ現代』の中では比較的低い数字です。(略)低視聴率は覚悟していました。」
あの放送の影響を私たちは診療室で強く受けています。でも一般のかたの関心は低かったと。テレビの強い影響力に驚嘆するばかりです。
「(応援メッセージで)もっとも反応があったのは歯科衛生士です。(略)『患者さんへの説明会を開催しているが、参加者にインプラントの契約をさせるための流れがマニュアルとして出来上がっている。(略)』。」
そうなんだ(笑)。ちょっとそのマニュアルを見てみたい気もします。
「インプラント治療を経験したことがある人たち、受けたことがある人たちの反応は、より具体的で(略)、現状ではどの歯科医院に行けばいいかわからないと言われました。」
「患者目線の安心は、医療の安全よりもつねに高い位置にあります。現在のインプラント治療を見ていると、患者さんの立場からするとわからない点が多く、安心を得られる状況にはありません。」
ここから専門医制度の確立とガイドラインの整備の必要性が提言されていくわけです。これを受けて専門科学会も動き出しているようですが、まだまだ問題点もはらんでいるようです。
最後に、ちょっと怖い歯医者さんの画像を見つけましたので、貼ってみます。
