2013年9月24日火曜日

インプラントのトラブル④


 インプラントの専門学会として、例えば歯の欠損をいかにしておぎなうかという観点(歯科補綴学といいます)から研究している歯科医師が中心の日本口腔インプラント学会、口腔外科が専門の歯科医師中心の日本顎顔面インプラント学会があります。この2学会が中心となって最近のトラブルや、報道などに対応しているようです。
 診療ガイドラインも2学会が中心となって計画しているようです。ガイドラインはすでに歯科関係でも14ほど存在するようですが、インプラント治療のガイドラインは未だ作成されていません。
 なぜでしょうか。推測にすぎませんが、
①治療が一般に行われるようになったのが1980年代半ばと比較的歴史が浅い。上記2学会の成立もそれ以降である。
②ほとんどの場合が保険診療の適用外である。
などが原因と思われます。


私はガイドラインの作成に、もちろんかかわったことなどないのですが、加入する学会がガイドラインを作成する際、その苦労をある委員から聞いたことがあります。一般には、ガイドライン全体のデザインから始まり、いわゆるEBMにもとづく論文の収集と評価、また必要なデータの収集等を行い、完成した後に一定の基準で評価を行います。予備的な調査から始まって、数年がかりだということでした。もちろん論文は世界中から集めるのですが、各学会で相当の論文の蓄積がないとデザインを決める過程から困難があるそうです。
さらに、多くの診療ガイドラインは保険診療に採用されたか、保険診療で使用する機器、薬剤、方法などが変更されたなどの際行われます。インプラントでは顎腫瘍切除に伴う場合など、かなり限られた場合でないと保険が適用されません。それやこれやで作成が遅れたと思われます。
現在のところ、各学会が専門医制度を持っています。さらに、患者さん向けの相談窓口を設けたり、インプラント手帳というものを作成して患者さんに自身の情報を把握してもらう努力などがなされています。患者さん側からも評価をいただける事業だと思います。
ただ、一介の開業医として基礎的なインプラントを細々とやっている、私のような歯科医師の立場としては、やはり一刻も早くガイドラインを作ってほしいものです。自らの仕事を検証する基準になりますし、患者さんに説明する際の基準ともなるだろうからです。