NHKの番組の視聴率が9.5%だったことは前にも述べました。担当ディレクターの感覚としては低視聴率だったのかもしれませんが、考えてみると、いまどきそう低い値でもなさそうです。一方雑誌でも、「もうダマされない!歯医者の裏側」などという特集が組まれたりして、まぁ昔からですが歯医者の金もうけ主義への風当たりは決して弱くありません。
ただ、患者さんのインプラント治療に対する満足度は、高額にもかかわらず非常に高く、どのデータを見ても95%を下回ることはありません。インプラントがなくなることはないと思います。
インプラントのトラブルから私自身への戒めとして学んだことは、以下のようなことでしょうか。
・インプラント治療に際しては、術式、費用を含め、事前にしっかりと説明をする。
・患者さんの体調も含め、正確な診査と診断をおこなう。
・自らの技術の限界を明確に認識する。限界を超える症例については、適切な紹介先を確保する。
・技術と知識の研鑽を怠らない。
この2年弱、私がインプラントを巡るトラブルについて考えたあげく、出た結論があまりに平凡で私自身、やや拍子抜けです。インプラントに関しては初級者クラスですから、当然でしょうか。
では私のような初級者クラスがなぜインプラントに取り組んでいるのかをお話ししておきます。
インプラントの大きな利点は、確実な咬合支持と審美性にあると考えています。このうち審美性は上級者クラスがあつかう問題ですので、割愛します。
たとえば下顎の奥歯をすべて失った場合、ほおっておくと前歯に異常な力がかかり、やがて前歯も失うことになります。一般的には義歯を作って対処しますが、義歯の乗る顎の土手の部分が年々低くなる、人工歯が擦り減っていく、などの問題は避けられません。対処する方法はあるのですが、半年から2、3年ごとの修理や再製作が避けられません。何らかの事情で患者さんがメインテナンスに来院できなくなった場合、残りの歯の状態が壊滅的に悪化していたなんてことはよくあります。
その点、インプラントであれば、メインテナンスが必要なことは同じですが、修理や再製作の頻度は低く、メインテナンスではPMTCと呼ばれる歯の掃除や歯磨きの練習がメインで、手間もかかりません。
このことは、歯周炎の患者さんにとっては大きな意味を持ちますので、後々述べてみたいと思います。
